片頭痛

片頭痛とは?

1. 片頭痛とは?

片頭痛とは、繰り返し再発し、通常の頭痛よりも重度で強い痛みを伴う頭痛です。片頭痛は感覚的な徴候や視覚の異常などの前兆症状が先行することがあります。重度の頭痛の後に吐き気が起こり、嘔吐を伴う人もいます。

片頭痛が引き起こす強い痛みは、数時間から数日間続くことがあります。

日本ではおよそ5〜10%の人が片頭痛持ちだとされており、アメリカではおよそ人口の12%に影響を与えているとされています。

片頭痛は、小児期、思春期または成人初期に始まることが多く、患者の8割は女性だとされています。

片頭痛は、閃輝暗点(せんきあんてん)と呼ばれる視覚障害が前兆として表れるタイプの片頭痛を持つ人もいれば、前兆がなく片頭痛だけを経験する人もいます。
閃輝暗点(せんきあんてん)と呼ばれる視覚障害は、英語ではオーラ(aura)とも呼ばれており、ちょうど写真のフラッシュなどの強い光を見た後のように見えにくい部分が見え始め、少しずつその見えにくい部分が他の部分にも出てきたり、拡大してきたりして、視界がどんどん見えなくなってしまう症状です。人によっては視界がモザイクのように見えてしまったり、ぼやけて見えてしまったり、目がチカチカして見えたりなど様々な見え方があります。

閃輝暗点は短い人では5分ほどから長い人では1時間ほどまで続き、しばらくすると視野は回復していきます。しかし、閃輝暗点(せんきあんてん)はよく片頭痛の前触れとして起こる症状であり、視界異常がおさまったかと思うと 頭の片側、或いは全体に重度の頭痛が現れることがあります。

閃輝暗点は神経伝達物質であるセロトニンが何らかの理由で大量に放出され、脳内の血管が急激に収縮された時に起こります。視覚や色彩の認識をつかさどる機能を担う後頭葉の血管が収縮されると、視界にも異常が生じ、閃輝暗点の症状が発生すると考えられています。

閃輝暗点はより重く痛みを伴う頭痛の前兆であることが多いことから、閃輝暗点の症状が表れた時点で、片頭痛のお薬を服用し、暗く静かなところで横になって安静にするなどすると、片頭痛の頭痛と吐き気などを未然に防ぐことが出来ます。

閃輝暗点の症状が初めて表れた時は眼に異常があるかと思い驚く人が多いのですが、脳の神経伝達に何らかの異常が発生して起こる症状です。しばらくするとおさまる一過性の症状なので、心配ありませんが、まれに脳梗塞の前兆として表れる症状でもありますので、医師に相談することをおすすめします。

セロトニンが分解され始めると、収縮していた血管が急に広がり始めるため、血管が広がりすぎ周囲が炎症になってしまうことがあり、脳神経の一つである三叉神経を刺激してしまいます。三叉神経が刺激されると片頭痛の症状が表れ、強い痛みを伴う頭痛の後に、胃腸に異常があるわけではないのに強い吐き気を伴い何回も吐くことになる症状になることもあります。

片頭痛になると、視覚のみならず、嗅覚や聴覚にも敏感になるために、いつもは気にならない匂いが強く感じられ吐き気を感じたり、小さな音が大きく聞こえたりなどの不快な経験をすることがあります。

片頭痛は体を動かすと症状が悪化するために、すぐに横になって安静にするなどすると症状が治まることもあります。逆に体を動かすと症状が悪化し痛みが強くなるために、とにかく安静にするようにしてください。

片頭痛は15歳から55歳の人々に影響を与える傾向があります。

片頭痛の1〜2日前に、次のような片頭痛の前触れ症状が表れることがあります。

・便秘
・気分の浮き沈みが激しい
・特定の食べ物を無性に食べたくなる
・首筋が硬くなる
・のどの渇きや排尿の増加
・あくびが頻繁にでる

すべての片頭痛が同じではありませんが、典型的な症状には以下のような症状が含まれます。

・中程度から重度の痛みで、通常は頭の片側に限定されますが、頭の両側で発生することがある頭痛
・重度の脈打つような痛みの頭痛
・身体を動かし、緊張している際に痛みが増す
・痛みにより定期的に日常生活ができない
・頭痛の後に吐き気を感じ嘔吐する
・発汗する
・胃の痛み、下痢

2. 片頭痛の種類

片頭痛にはいくつかの種類があります。

慢性的な片頭痛:月の15日以上のサイクルで頭痛が発生する片頭痛を指します。

月経性片頭痛:月経周期に関連したパターンで頭痛が発生する片頭痛を指します。

片側麻痺性片頭痛:一時的な期間、身体の片側が弱くなる症状を引き起こす片頭痛です。

腹部片頭痛:片頭痛発作が腸と腹部の症状に繋がっている片頭痛です。この症状は主に14歳未満の小児に起こります。

脳幹障害を伴う片頭痛:片頭痛が起こるとうまく話すことができないなどの重篤な神経症状を引き起こすことがある、まれなタイプの片頭痛です。

経験している片頭痛のタイプを特定した後、医師に相談してください。

3. 片頭痛の原因

片頭痛の原因は未だはっきりとは特定されていませんが、アレルギーやストレスなどが頭痛の原因となることがあります。

片頭痛の原因は主に脳の異常な活動に起因すると考えられています。脳の神経が通信する通路や脳内の化学物質や血管が片頭痛に影響を与えている可能性があります。また、遺伝が片頭痛の原因となっている可能性もあります。

片頭痛の原因として考えられる要因は以下のようなものが考えられます。

① ホルモンの変化:

男性よりも女性の方が片頭痛になりやすく、女性はホルモンレベルの変化により、月経中に片頭痛の症状をよく経験することがあります。

② 感情的な要因:

ストレス
うつ病
不安
興奮
ショック

③ 身体的原因:

疲れ
睡眠不足
肩や首の緊張
姿勢が悪いこと
身体的な過度の痛み
低い血糖値
時差ぼけ
ダイエット

④ 食品の原因:

お酒
カフェイン
チョコレート
チーズ
柑橘類
チラミンが含まれる食品

不規則な食事や脱水状態も潜在的な原因となります。

⑤ 服用している薬が原因

睡眠薬
ホルモン補充療法(HRT)薬
避妊薬

⑥ 環境的要因:

画面のちらつき
強い臭い
タバコの煙
大きな騒音
風通しの悪いむっとする部屋
温度の変化
明る過ぎる照明

4. 片頭痛の治療方法

1)前兆を感じたらすぐに安静にする

片頭痛の頭痛が始まる前に前兆症状を感じる人もいれば、前兆なしに頭痛を体験する人もいます。
前兆のある片頭痛を持つ人々およそ3割とされており、前兆症状を認識して頭痛を予防する行動をとることで本格的な強い痛みを伴う頭痛を防ぐことができます。そのため、片頭痛の前兆を感じたらすぐに安静にすることができる場所を探し、目をつぶって横になり、できれば眠ることができると症状が治まる傾向があります。

2)医師の診察を受ける

片頭痛を定期的に経験している方は、医師の診察を受けてください。片頭痛の前兆が始まった時点で薬を服用すると、強い痛みを伴う頭痛と吐き気を未然に防ぐことが出来ます。この場合は、薬を常時携帯すると良いでしょう。

3)ライフスタイルを変化させる

片頭痛の頻度を減らすために役立つライフスタイルの変化には以下のようなものが挙げられます。

・十分な睡眠をとる
・ストレスを減らす
・たくさん水を飲む
・片頭痛を引き起こす可能性のある特定の食品を避ける
・定期的に運動をする

片頭痛を改善するために、グルテンフリーなどの特別な食事療法が役立つこともあります。

上記のライフスタイルにおける変化を実践してもが片頭痛の症状、または頻度が緩和されない場合、さらなる治療を検討する必要があります。
現在の片頭痛の治療は、要因を避け、症状をコントロールし、薬を服用することに焦点を当てています。

4)手術を受ける

過去10年間に、片頭痛の治療に対する新しいアプローチが開発されました。ボツリヌス毒素またはボトックスの注射を、三叉神経および頚部脊髄神経の頭蓋外感覚枝に投与することで片頭痛が改善されることあります。これらの神経は片頭痛反応に関連する顔面および頸部の神経群です。

2014年の検査では、これらの神経の外科的手術によって、一次的治療に反応しない患者の片頭痛を軽減または排除することができることが示されました。

5)薬を服用する

片頭痛はしばしば医薬品を服用することで症状を軽減させることができます。鎮痛剤を含む多くの種類の片頭痛薬があります。

鎮痛剤は頭痛が発症する以前の、片頭痛の進行の初期に摂取する必要があります。

① 市販の頭痛薬

片頭痛の治療に効果的な市販の頭痛薬には以下のようなものがあります。

・ナプロキセン
・イブプロフェン
・アセトアミノフェン
・アスピリン

市販しているお薬も、服用する前に必ず医師に相談するようにしてください。

② 吐き気を治療する薬

片頭痛を経験する一部の人々は、付随する吐き気の症状を治療する薬剤を服用する必要があります。

メトクロプラミド錠(商品名:プリンペラン)は、悪心および嘔吐などの特定の症状をコントロールするために服用することが出来ます。

③ 強い頭痛のための処方薬

スマトリプタン(商品名:イミグラン)のようなセロトニン作用薬は、重症の片頭痛または市販の頭痛薬に反応しない片頭痛のために処方されることがあります。

選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)および三環系薬などの抗うつ薬は、片頭痛症状を軽減するために処方されることがあります。

④ 予防薬

片頭痛の予防は、片頭痛の要因を避けることから始まります。予防療法の主な目的は、片頭痛の頻度、頭痛のレベル、持続時間を減少させ、他の療法の有効性を高めることです。

片頭痛の発作を予防するのに役立ついくつかの薬とサプリメントがあります。

・抗うつ薬
・コエンザイムQ10
・フィーバーフュー(ナツシロギク/ 夏白菊)
・クエン酸マグネシウム
・ビタミンB12サプリメント
・リボフラビン(ビタミンB2)

購入する前に、これらのサプリメントと他の薬と一緒に飲むことが安全であるかどうか、医師に確認してください。

4. まとめ

片頭痛は、生活習慣を変化させることである程度予防が可能な症状です。また、頭痛の前触れの段階で薬を服用し、暗い静かな場所で安静にし、できれば睡眠を取ることができると治まることが多い症状です。その他にはサプリメントを服用することで症状を日頃から防ぐことができることがありますので、試してみることをおすすめします。