ED (勃起不全)

ED(勃起不全)とは?

1. ED(勃起不全)とは?

EDとは英語ではErectile Dysfunctionとして知られている男性の勃起不全の症状を略して称す言葉です。インポテンスとしても知られている勃起機能不全の症状は、男女それぞれのパートナーの性的満足に十分な勃起を達成または維持することができない症状をいいます。EDは身体の機能的な問題というだけでなく、男性の自尊心を傷つけてしまい、精神的に大きなダメージを与えてしまう症状でもあります。 1998年の調査によると、曰本のED患者数は1130万人に達しており、そのうちに中等度EDが約870万名となり、完全EDが約260万名となっています。日本では高齢化が進んでいるので、この調査の後も増加の傾向が認められており、今後も増加していく傾向が予想されています。

EDの治療では先に進んでいるアメリカでは、3,000万人もの男性が継続的にEDの症状で苦しんでいるとされており、一時的な症状を体験しているケースはほぼすべての成人男性に影響を与えているとされています。

EDには全く勃起を得ることが出来ない重度のEDから、勃起は得ることはできるものの満足した性行為を行うために必要な硬さが得られなかったり、性行為の途中で中折れをしてしまったり、常にEDになるのではなく体調が良くない時や緊張した時にだけ満足した勃起を得ることが出来なかったりする中軽度のED があります。
この他にも、妻以外の女性とは勃起を得ることができるのに妻との性行為の時にだけEDになってしまう症状、マスターベーション(オナニー)の時には正常な勃起を得ることができるのにパートナーの女性との性行為になるとEDになってしまう症状など様々なシチュエーションによる症状があります。

2. 勃起不全の原因とは?

1)器質性ED

20年ほど前までは、医師たちはEDの原因をほとんど心理的な問題や、高齢になるにつれて起こる正常な老化のプロセスに起因するものだと考えていました。しかし、近年、泌尿器科の医師たちは、50歳以上の男性の持続性ED(勃起不全)の大部分の要因は身体的な疾患が主な原因であると考えるようになりました。

勃起は主に血管が拡張されることから引き起こされます。
高齢者のED(勃起不全)の最も一般的な原因は、アテローム性動脈硬化症または糖尿病などの陰茎への血流を遮断する生活習慣病などの身体の疾患から起因するとされています。中でもアテローム性動脈硬化症は、血流の問題の一般的な原因であるとされています。アテローム性動脈硬化症は、陰茎の動脈の狭窄または詰まりを引き起こし、勃起を生じさせるために必要な血流を陰茎に流すことができなくなる症状です。

もう1つの原因となる血管の症状として考えられることは、血液がペニスからあまりにも速く抜けてしまう静脈の疾患である可能性があります。

その他に考えられる原因は、ホルモンの不均衡な状態を引き起こす男性更年期の症状、何かしらの手術をしてからの後遺症、それ以外の身体疾患も勃起不全をもたらし得ることがわかっています。

前立腺癌はEDを引き起こしませんが、前立腺癌を治療するための前立腺手術とがん治療のための放射線療法は、前立腺がんを引き起こす可能性があります。
非癌性の良性前立腺疾患の治療もEDを引き起こす可能性があります。

以下のような症状を患っていてEDになってしまっている方は、医師に相談されることを推奨します。

・心臓病
・血管疾患
・糖尿病
・高血圧
・高コレステロール症
・肥満
・メタボリックシンドローム
・パーキンソン病
・多発性硬化症
・甲状腺疾患
・テストステロン欠乏を含むホルモン障害
・ペイロニー病などの陰茎の疾患
・前立腺疾患
・外科的な症状の合併症
・骨盤領域または脊髄の損傷
・骨盤領域への放射線療法

2)心理的な要因から

20代〜40代の若い男性のED(勃起不全)は、心理的な問題が最も可能性の高い原因となっています。

若い男性が性行為を行うことへの緊張と不安を感じることは、パートナーとのコミュニケーションの弱さや性的好みの差異から生じることがあります。
このような性的困難はまた、次のような要因に関連している可能性があります。

・うつ病
・罪悪感
・親密さへの恐れ
・不安
・疲労
・ストレス
・自分がパートナーにふさわしくないと感じること
・性行為に対する恐怖
・親または友人に拒絶されたことからのトラウマ
・子供時代の性的虐待の経験

心因性EDは一時的な症状であることがほとんどです。
永続的なEDのほとんどは器質性EDであるとされています。

心因性EDの特徴としては、身体的な問題はないのに突然EDになってしまったり、常にEDを患うのではなく特定の状況でのみEDになってしまったり、パートナーとの関係性に問題があることからEDになってしまったりなどの点を挙げることができます。
心因性EDであることを自ら確かめる方法は、朝立ち(早朝勃起)、夜間の勃起やマスターべーションなどでは問題なく十分な勃起をすることができるのに、パートナーとの性行為をする時に勃起を十分にすることができなかったり、維持することができないなどの症状を自らが自覚し確認する方法です。
心因性EDは性欲を感じることができなかったり、うつ病、統合失調症や不安障害などの精神的な症状と合併することが多いとされています。
近年では不妊症の検査を受けることへのストレスから、EDになる男性が増えているという調査結果がでています。不妊症の検査を受ける以前はEDではなかったのに、不妊症の検査後にEDの症状を感じるという方が11%増えたと報告されています。不妊症治療は男性にストレスと精神的な苦悩を与えるために、そのことがEDに繋がってしまう可能性があるのです。

3)服用している医薬品の副作用として

勃起を生成する血管の作用は神経系によってコントロールされており、特定の医薬品は勃起を得るために必要な神経伝達信号を妨害する副作用を引き起こすことがあります。

この可能性のある薬物の中には、覚せい剤、鎮静剤、利尿剤、抗ヒスタミン剤、高血圧治療薬、がん治療薬、うつ病治療薬などが挙げられます。このようなお薬を服用していて勃起不全を体験している男性は医師に相談されることをおすすめします。

EDを引き起こす可能性のあるお薬は以下のようなものが挙げられます。

・高血圧治療薬
・心臓治療薬
・利尿薬
・睡眠薬
・アンフェタミンを含む中枢神経系に作用する薬物
・精神安定剤
・モノアミンオキシダーゼ阻害剤(MAOI)
・選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)
・三環系抗うつ薬を含む抗うつ薬
・オピオイド鎮痛剤
・化学療法剤を含むいくつかの癌治療薬
・前立腺治療薬
・抗コリン作用薬
・ホルモン剤
・消化性潰瘍薬シメチジン

以上のようなお薬を服用なさっている男性はお薬の服用を中止する前に医師に相談してください。

4)飲酒、タバコを吸うなどの生活習慣から

飲酒、タバコなどの生活習慣は、ED(勃起不全)に寄与する可能性があります。
薬物乱用もEDの原因となります。

3. EDの治療方法

良いニュースとして、大部分の男性はEDの治療のために適切な治療方法と効果的な解決策を見つけることができています。

EDの治療方法には以下のような方法があります。

1)ED治療薬を服用する方法

たくさんの男性は、PDE-5(ホスホジエステラーゼ5)阻害薬と呼ばれるグループに属するED治療薬を服用することでEDの悩みを解決することができています。

これらのED治療薬のほとんどはセックスの30〜60分前に服用することで素晴らしい効果をもたらすことができます。
最もよく知られているED治療薬は有効成分シルデナフィルを含むバイアグラです。

その他のED治療薬には次のようなお薬があります。

レビトラ(有効成分 バルデナフィル)
シアリス(有効成分 タダラフィル)
ステンドラ(有効成分 アバナフィル)*日本未承認

ED治療薬を日本で購入する際は、医師からの処方せんでのみ入手可能です。医師は通常患者の心臓の状態をチェックし、処方前に他にどの薬を服用しているかどうか尋ねます。ED治療薬には数々の併用禁忌薬と併用注意薬があるからです。

海外のED治療薬は個人輸入代行サービスをとおして購入することが出来ます。その際に医師からの処方箋は不要ですが、日本の薬事法のルールに従って個人が使用する目的で個人が使用する一定量を購入する必要があります。

また、ED治療薬には全ての医薬品に副作用があるように、それぞれ副作用があります。

ED治療薬の副作用には以下のような症状が含まれます。

顔のほてり
視覚異常
難聴
消化不良
頭痛

これらの副作用は医師の指示に従った用量を服用すれば軽度のものであり、薬の有効時間を過ぎると副作用も自然に治まっていきます。

副作用が強く出た場合はすぐに医師に相談してください。

2) 海綿体注射(ICI治療)

陰茎に注射をすることで勃起を起こさせる方法がありますが、この方法はED治療薬で効果を感じられなかった方のみに限定されています。
陰茎への局所注射には、プロスタグランジンE1が含まれており、プロスタグランジンE1は陰茎に注射するか、または尿道の開口部に挿入することによって局所的に適用されます。

海綿体注射(ICI治療)はED治療薬とは異なり、性的刺激や性的興奮に関わらず勃起させることができます。陰茎の海綿体に髪の毛ほどの太さの細い針で注射をすると5分から10分ほどで勃起します。勃起する確率は98%とかなり高く、副作用もほとんどないとされています。勃起の持続時間はおよそ3時間です。そのため、医療機関で注射をしてからすぐに帰宅して性行為をする必要があります。勃起は射精をした後も続きます。
このような時間的な圧迫を避けたいという方は、自宅で注射をすることもできますが、日本では厚生労働省の認可が降りていない未承認な治療方法であるために、何かあった場合には自己責任になります。医療機関でも扱っていないところが多い現状です。

3)陰圧式勃起補助具

陰圧式勃起補助具は、ED治療薬での治療を望まない、またはED治療薬を服用できない男性のために機械的に勃起を生成する方法です。

ペニス周囲を密閉した真空ポンプを使用して血液を吸引することによって硬くします。陰茎に集まった血液は、付随するバンドの使用によって陰茎から離れることから防止され、性行為の間中勃起を維持することを可能にする補助器具です。

4)プロステーシス挿入手術

プロステーシス挿入手術は上記の治療法のどれも効果が得られなかった方のための最後の手段として提案される方法です。

陰茎に「プロステーシス」と呼ばれるシリンダーを移植する手術です。タイプとしては、ノンインフレータブル・タイプとインフレータブル・タイプの2種類があります。

手術は患者にとって大きな選択であり、手術した後は手術をする前の状態に戻ることができないので慎重な選択をする必要があります。
手術することは自然にEDを治療して回復することへの道を閉ざすことにもなります。
また、プロステーシス手術には治療・回復のためにある一定の時間がかかり、手術した後に感染したりするケースがあるというリスクがあります。

費用も高額になっており、医療機関によって差はありますが60万円前後かかる状況です。

このような高いリスクにもかかわらず、手術後の長期生着率は比較的高く、患者の満足度も高いという報告がされています。

6)運動治療

EDの症状を改善するために男性が実行できる運動練習があります。

薬を使わずに勃起不全を治療する最善の方法は、ケーゲル運動で骨盤底筋肉を強化することです。これらは、しばしば妊娠中に骨盤領域を強化しようとする女性が行う運動ですが、陰茎の完全機能を回復しようとする男性にとって効果的な運動でもあります。

まず、骨盤底の筋肉を見つけます。次回の排尿時に途中で流れを2〜3回中止することで探し出すことができます。この過程で働いている筋肉は骨盤底の筋肉で、ケーゲル運動の焦点になります。

ケーゲル運動の1つの方法は、ケーゲル筋に力を入れて締め付けてから5秒間ほど保持してから解放することです。毎日この運動を10〜20回繰り返してください。最初に練習を始めるときは、これはやりにくいかもしれませんが、時間が経つにつれてより簡単になるはずです。

ケーゲル運動は継続的に行うことで効果が表れる方法で、運動を始めてからおよそ6週間ほど後に改善が見えてくるはずです。

ジョギングや活発な散歩などの有酸素運動は、血液の循環を良くするのに役立ち、血液循環に問題を抱えている男性のEDを改善するために役立ちます。

5. まとめ

EDは多くの男性にみられる症状であり、前向きに解決策を探し出すことで改善することができる症状です。EDでお悩みの方は一人ではありませんので、ED治療薬を服用したり、ケーゲル運動をするなどの方法でより喜びを感じることができる性生活を取り戻すことができるようになるでしょう。