1. ゾロフト 商品説明
脳内に存在するセロトニン再取り込み機構を選択的に阻害し、シナプス間隙のセロトニン濃度を高めて持続的にセロトニン神経伝達を高め、抗うつ作用や抗パニック障害などの作用を示します。
通常、うつ病・うつ状態、パニック障害、心的外傷後ストレス障害の治療に用いられます。
うつ病は人口の3パーセント程度が発病する精神疾患です。抑うつ気分、不眠などの身体症状があります。日本では精神疾患はがん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病とともに最近「5大疾病」となり、社会的に大きく取り上げられています。中でもうつ病はもっとも罹患者が多い精神疾患です。
パニック障害は、パニック発作、身体症状がある精神疾患です。パニック発作とは急性の不安発作が起こるもので、通常数分から数10分程度自然に回復しますが、発作が起きた場所や状況を避けるようになってきます。例としては広場恐怖、外出恐怖があります。発作が繰り返し起こると、再び発作が起きるのではないかと予期不安を抱くようになり、これは持続性の不安となります。多くのパニック障害では抗不安薬、抗うつ薬が効きます。
心的外傷後ストレス障害(PTSD)は、死に直面する、あるいは重傷を負うような強いストレスを体験し、それが原因となって不安や恐怖の状態を呈する精神疾患です。強いストレスの例としては交通事故、災害、戦争です。心的外傷体験から4週以内起これば急性ストレス障害であり、それ以上続く場合が心的外傷後ストレス障害となります。症状としては、心的外傷となった出来事が本人の意思に反し繰り返し思い浮かぶ再体験、心的外傷体験を想起させる状況、場面、人物、感情、会話などを避ける回避、緊張状態、交感神経の過活動による過覚醒などがあります。
アメリカの製薬会社ファイザーが開発、製造、販売している薬ですが、すでにジェネリック医薬品も多数存在します。
ゾロフトは日本では一般にジェイゾロフトとして知られている選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)と呼ばれる抗うつ薬の1種です。パキシル、レクサプロ、ルボックスもSSRIです。
2. ゾロフト 効果効能
うつ病は現代において非常に頻度の高い疾患で、人口の3パーセント程度が発病すると言われています。うつ病の症状には、抑うつ気分、思考抑制、行動抑制、身体症状があります。抑うつ気分とは気分が晴れなかったり、気が滅入ること、思考抑制とは考えがまとまらないこと、行動抑制とはやる気が起きないこと、身体症状としては食欲不振、睡眠障害、自律神経失調があります。一番の問題は自殺企図が出ることで、患者の15%に自殺の恐れがあるといわれています。
うつ病の治療として薬物療法、通電療法、精神療法、行動療法などがあります。薬物療法として登場した抗うつ薬も三環系抗うつ薬、四環系抗うつ薬、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)、ノルアドレナリン・特異的セロトニン作動性抗うつ薬(NaSSA)など多数の種類があります。
ゾロフトは選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)です。
選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)は、脳内の神経伝達物質であるセロトニンの作用低下を改善することで抗うつ効果が期待されています。理論としては、うつ状態ではセロトニンが不足しており、不足を改善するためにセロトニン受容体の感受性を高めるために受容体の数が増えます。ところが、受容体が増えた結果逆にセロトニン不足は相対的に強まるというものです。このようにして、うつ症状として、とくに不安や抑うつが作り出されるのです。SSRIは不足しているセロトニンの量を増やすので、それにより受容体の数が減って元に戻り、うつ状態が改善されるのではないかと推定されています。これに1から2週間かかるので薬の効き目が出るまで1から2週間かかるのではないかと推測されています。
3. ゾロフト 服用方法
1) 服用のタイミング
成人は1回1錠を1日1回から服用を開始します。水または白湯で服用してください。
2) 服用用量
通常、成人は1回1錠を1日1回から服用を開始し、1回4錠(100mg)を1日1回服用まで徐々に増量されますが、治療を受ける疾患や年齢・症状により1日4錠(100mg)を超えない範囲で適宜増減されます。必ず指示された服用方法に従ってください。
3) 効果持続時間
飲み忘れた場合は、1日以内に気がついた場合であれば、気がついた時点で1回分を飲んでください。絶対に2回分を一度に飲んではいけません。
医師の指示なしに、自分の判断で飲むのを止めないでください。急に中止すると不都合な症状(不安、焦燥、興奮、めまい、頭痛など)がみられることがあります。
4. ゾロフト 副作用
主な副作用として、吐き気、傾眠、口内乾燥、頭痛、下痢、めまいなどが報告されています。このような症状に気づいたら、担当の医師または薬剤師に相談してください。
まれに下記のような症状があらわれ、[ ]内に示した副作用の初期症状である可能性があります。
このような場合には、使用をやめて、すぐに医師の診療を受けてください。
不安、焦燥・興奮・錯乱、発汗[セロトニン症候群]
じっとして黙り込む、筋肉のこわばり、食べ物やのみ物がのみ込みにくい[悪性症候群]
筋肉が発作的に収縮する状態、意識が完全に消失した状態[けいれん、昏睡]
全身けん怠感、食欲不振、皮膚や白目が黄色くなる[肝機能障害]
むくみのない短期間での体重増加、けいれん、意識障害[抗利尿ホルモン不適合分泌症候群]
以上の副作用はすべてを記載したものではありません。上記以外でも気になる症状が出た場合は、医師または薬剤師に相談してください。
5. ゾロフト 使用上の注意
1) 持病のある方
眠くなったり、めまいがしたりすることがありますので、車の運転などの危険を伴う機械を操作する際には十分注意してください。
飲酒により薬の作用が強くあらわれることがありますので、服用中の飲酒はひかえてください。
因果関係は明らかではありませんが、病状の悪化、自殺念慮・企図(考えたり、しようとする)、他人を傷つけるなどが報告されていますので、このような兆候に気がついた場合には服用を止めないで、医師または薬剤師に相談してください。
次のような方は使う前に必ず担当の医師と薬剤師に伝えてください。
以前に薬を使用して、かゆみ、発疹などのアレルギー症状が出たことがある。肝機能障害、躁うつ病、自殺念慮・自殺企図またはその既往、脳の器質的障害または統合失調症の素因、衝動性の高い併存障害、てんかんなどのけいれん性疾患またはその既往、QT延長またはその既往、徐脈、低カリウム血症、出血傾向または出血性素因、緑内障またはその既往がある。
妊娠または授乳中
他に薬などを使っている(お互いに作用を強めたり、弱めたりする可能性もありますので、他に使用中の一般用医薬品や食品も含めて注意してください)。
2) ゾロフトの併用禁忌薬および併用注意薬
セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)を含む健康食品は、セロトニン作用が増強されるおそれがありますので、一緒に飲むことはひかえてください。
3) 保管方法
乳幼児、小児の手の届かないところで、直射日光、高温、湿気を避けて保管してください。
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